-LANDISK LAN-iCN2以降、LAN接続型HDDのうち、小規模LAN向け、個人向けの製品のシリーズである。 #ref(http://www.iodata.jp/prod/network/fileserver/2003/landisk/img/lan-icn2_240.jpg,right,around) -LAN-iCN2 [[株式会社I-O DATA機器:http://www.iodata.jp]]のSHシリーズを使ったLAN接続HDDの二世代目。LANDISKの名称はここから使われるようになったが、商標は登録されていないため、似て非なる製品が他社から発売される事となった。 ファームウェアが64MBのCFであること、外付けHDDをネットワークストレージとして使えるようにするアダプタである事を考えれば、USL-5Pの先祖であるとも言える。 旧世代の製品から、CPUを強化し、筐体もHDDにあわせ置きやすい形状となった。 I-O DATAに請求するともらえるHDL-UシリーズのカーネルソースコードにあるラベルJULIANは、日立によるQFPタイプのSH4の評価ボードの名称であり、本来はこちらの製品のベースとなった名称である。 小さなファイルはいざ知らず、大きなファイルの転送には時間がかかり、お世辞にも快適なファイルサーバとはいえない製品ではある。 -LANDISK(SH4) #amazon(B00013NCJ2,right,image) #amazon(B0009QD9OO,right,image) #amazon(B000AND1C6,right,image) SHシリーズのLAN接続HDDの三世代目。 そして、その後のシリーズへの礎となった製品である。 シリーズ名は、前の世代を受け継ぎLANDISKだが、アダプタであることと、i-Connectを捨て、USBポートを二つを装備、HDDを内蔵し、単体で動作するようになった。また、この機種より、DHCPでのIP取得が初期状態での設定となっている。 二つのUSBポートは、内蔵しているドライバや、ファームウェアの都合により、HDD(マスストレージデバイス)と、プリンタのみに対応し、USB HUBを経由した接続はサポートしない。 その制約により、[[同社:http://www.iodata.jp]]製USB接続HDDのうち、[[USBHUBを内蔵した機種:http://www.iodata.jp/prod/storage/hdd/2005/hdh-sueh/index.htm]]は[[対応外:http://www.iodata.jp/prod/storage/hdd/2005/hdh-sueh/index.htm]]になるという状況になった。 旧世代では、CFにプログラムが書き込まれていたが、この世代から、実ファームウェアはHDD内に書き込まれるようになった。 また、アダプタである事を捨てた事、動作クロックの向上により、大幅な速度の向上を果たし、旧世代に対し、大きな進化を遂げた。しかし、裏を返せば、旧世代のブリッジとしての機能が、転送に忙しく、実作業に手が回っていないような設計の不味さがあったということでもある。 ファームウェアは、CPUが同じ事もあり流用した部分も多く、特に起動周りの処理は、旧世代を引きずっている面もある。 システムは、SH-ipl+gのみが書き込まれたFlashROMから、HDD上のsh-liloを読み込み、ファームをブートするようになっている。起動デバイスは、内蔵HDDのみであるため、その後、HDDを抜いた製品を子ブランドで発売する際に、インストーラが開発できず、お蔵入りしそうになる一面もあり、HDDで完結してしまうファームウェアは、HDDの故障時に復旧を困難にしている。 IPL時のシリアルコンソールの通信パラメータは9600bps/N/8/1/フローコントロール無しである。 HDDにシステムがあることによる書き換えのしやすさ、Linuxとそのアプリケーションにより構成されていること、カーネルが公開されたこと、比較的安価であること等から、解析、改造等をおこない遊ぶ者が出始め、[[iohack project:http://sourceforge.jp/projects/iohack/]]を中心とするその成果は、LAN Tankへとつながっていく。 旧世代から続くSHシリーズの採用、利用実績から、[[ルネサス テクノロジ:http://japan.renesas.com/]]の[[SHシリーズの広告:http://resource.renesas.com/lib/jpn/shbrand/user/iodata/index.html]]が掲載される事にもなるが、その月に発表された新ラインナップは、次の世代では同シリーズのローエンドまで担う事になるARMコアを利用したGigaLANDISKであるという皮肉な出来事もあった。 見た目の構造、感触は物理スイッチのようであるが、電源スイッチはソフトウェアスイッチである。そのため、システムに異常があった場合、電源を切る事が出来なくなる事もある。また、必ずしも、スイッチの状態と、本体の状態は一致しない。 基板は3度のマイナーチェンジがあり、基板のシルク印刷で確認する事が出来るが、ソフトウェアから見た場合は同一に見える程度の変更でしかない。 USBの制御チップは5本のダウンストリームを備えているが、パターン若しくは、パーツが実装されているのは二本のみである。 請求すると入手できるソースコードでは、ラベル名がJULIANであるが、これは、本来旧機種の基板の名称である。BGAタイプのSH4ボードの名称は、FALCONであり、この製品で使われるボードは、本来FALCONと呼ばれるべき物になる。 -HDL-Uシリーズ。 SH4のLANDISKとして、スタンダードなモデルである。 筐体は、同社、[[HDX-UE:http://www.iodata.jp/prod/storage/hdd/2002/hdx-ue/index.htm]]シリーズをベースにしており、上下の樹脂パーツの存在により、メンテナンス性は高いとはいえない。同製品は横置きでのスタックが可能であるが、同様の外見のHDL-Uシリーズは縦置きのみの設計であり、フットラバーも予め底面に装着されている。 省電力機能として、HDDのスピンダウンが実装されているが、外付けUSBHDDについては、それは適用されない。また、外付けHDDは、FAT32若しくは、専用フォーマット(ext2)のみに対応しており、ext2を利用する場合、データを保持したまま取り外せるような設計にはなっていない。中身のデータを移動する形で、読み出せるようにする事はできるが、普通に再接続してしまうと、フォーマットを促されるので気をつけないとデータを失う事になる。 プリンタの共有については、双方向通信は行えない。 省電力機能でHDDをスピンダウンでき、システムの起動まで行うと利用可能な状態になるまでに時間が掛かるため、短期的な管理には向かないものの、WoLに対応し、端末と距離があっても電源を入れることが出来る。また、ファンレスであり、標準のドライブは、5400rpmであるため、熱対策に不安は残るものの、HDDのスピンドルが停止したときはほぼ無音である。 -UHDL-Uシリーズ。 HDL-Uシリーズの海外モデル。アメリカで販売されている。 ファームの表記が英語であるほか、電源がACアダプタに変更されている。 元の電源ケーブルの穴は目隠しのパーツでふさがれ、電源スイッチと、USBコネクタの間辺りのスペースにACアダプタのコネクタが追加されている。 [[日本語のファームへの変更も可能:http://www.iodata.com/usa/support/downloads/MIJ/UHDL-LANDISK/update.tgz]]になっているが、一度適用してしまうと元に戻す事は出来ない。 -PX-EHLシリーズ。 Plextorからヨーロッパで発売されている海外モデル。 基本的には、UHDL-Uシリーズと同等と思われる。 -HDL-URシリーズ。 上記モデルのファームウェアにRICOH「IPSiO Gシリーズ」のドライバを組み込み、プリントモニターに対応したモデルだが、そのニッチさに、数が出ていないのか、ファームのアップデートが何回かスルーされることもあったモデルである。 この機種で追加された機能は、以降のシリーズに引き継がれる事も無かった。 それ以外にHDL-Uとの違いは無く、敢えて挙げれば、外観の製品型番の印刷が異なる程度である。 -HDL-WUシリーズ。 IDEケーブルにコネクタを追加し、内蔵ドライブを二台にし、JBODで束ねることにより、大容量を実現したモデルである。当初の価格設定からすると、当事もっともビット単価の安かった250GB二台で、500GBを割安に提供するために作られたモデルと思われる。 筐体は同社[[HDW-UEシリーズ:http://www.iodata.jp/prod/storage/hdd/2003/hdw-ue/index.htm]]のものがベースとなっており、主基板がHDL-Uシリーズと同じため、ファンの制御回路を持たず、省電力機能は、HDDのスピンダウンのみにとどまり、空冷ファンは常に回り続ける。 また、両ディスクはプライマリのマスタとスレーブとして接続され、扱いもJBODであるため、ストライピングの様に速度が向上する事は無く、ドライブが増える事で、故障率も上がってしまうという欠点も持つ。 少なくとも標準ファームウェアでは、構成の選択肢は無く、ミラーリング、ストライピングなど、構成を変更する事は出来ず、できたとしても、筐体の構造上、ディスクの交換は一般ユーザにさせられるほど簡単ではない。 この製品がベースとなり、後にLAN Tankが生まれる。 -HDL-AVシリーズ。 HDL-UシリーズのファームウェアにDiXiMメディアサーバ等のデーモンを追加し、DLNAガイドラインへの対応をしたシリーズである。 基本的な部分はソフトウェア的にも同一であるが、パーティション構成が若干異なる。 ハードウェア的には仕様としては何も変わるところは無いが、基板がLAN Tankと同じHDL-3である事、電源がより安い製品に変わっていること、アルミパネルと止める螺子が内歯付きのものになっている事、フロントパネルに容量表記が無く、色が赤に変更になっている事ぐらいしか変化は無く、ソフトウェアから見た場合は、同一の機種とも言える。 USL-5Pで実装されていた外付けHDDのスピンダウンはこの機種でも実装されず、USBのHDDは止める事が出来ない。 添付品にはDLNA対応メディアプレーヤーソフトを添付。利用上の仕様の違いとしては、リンクプレーヤーのサーバーとして利用する場合の容量制限2GBが廃止されているほか、HDL-Gシリーズのように、ネットワーク設定をユーティリティーを用いて設定することが可能になっている。 #amazon(B000EPC27K,right,image) -HDL-Fシリーズ(現LANDISKシリーズ) そのシリーズ名に反し、SH-4ではなく、SoCを利用したARMコアベースのモデルである。 ラインナップ上は、HDL-Uシリーズの後継となっているが仕様やソフトウェアの系譜としては、HDL-Gシリーズの機能制限版といえる。 筐体は[[HDH-Uシリーズ:http://www.iodata.jp/prod/storage/hdd/2004/hdh-u/index.htm]]に類似したものになった。 後継機でありながら、パフォーマンスは低下し、向上した機能は、旧世代の上位機種であるGigaLANDISKで実装されているものであり、目新しいメリットは価格以外には存在しない。 そればかりか、空冷ファンが付く事により、省電力時には停止するとは言え、静穏性も低下。WoLの削除など、旧LANDISKの制限が問題のないユーザにはメリットは殆ど無い。 同様の構造を持つHDL-Gシリーズ、HDL-GXシリーズにファームウェアのアップデートが行われているにも関わらず、機能追加はおろか、フィックスも行われる気配すらない。 修理に出した所、パーティション構造まで変わったファームで戻ってきたものの、Versionは、1.00のままであったという報告があるなど、管理がきちんと行われているのか疑問に思わせる報告もあがっている。 とはいえ、HDL-Gシリーズの実績の上に存在する筈であるため、新規購入で、速度に対する要求が無く、改造して遊ぼうというのでなければ、購入の選択肢としてはあると思われるが、競合他社製品が旧世代と同等のパフォーマンスをたたき出している以上、積極的に選ぶ理由に乏しい機種であるとは言える。 #include(I-O Hack/LANDISK/ハードウェア,notitle) #include(I-O Hack/LANDISK/ソフトウェア,notitle)