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Rasteme/RSDA202の紹介と改造/平滑コンデンサのアダプターを作ろう のバックアップ差分(No.11)


***概要 [#a70f78f6]
 10000uF以上の平滑コンデンサを外付けします。外付けデカップリングです。コンセントを抜いても1秒〜2秒は音が途切れなくなります。
 電源の供給能力を補い大音量時のひずみ感を減らしたり、低音を引き出したり、高音域の曇りを減らしたりします。
 電源に良いものを使うほど、電源ケーブルが太いほど、内蔵のデカップリングに高性能なものを使うほど、追加コンデンサの効果は分かりにくくなります。
 以前の改造を順調に終えていれば、音質の向上は明確に分かるでしょう。音が前に飛び出すようになり、音楽の奥行きが増すかも知れません。
 
 配線の±をまたがるように、0.1uF〜3300uFのコンデンサをパラに並べて作ります。
 例:
 ━━┯━━━━━━┯━━━━━━┯━━━┯━┯━┯━┯━ ←配線+(ACアダプタからの+ コンデンサの+)
 フィルム0.1uF フィルム2.2uF 電解1000uF 電解3300uF×4 
 ━━┷━━━━━━┷━━━━━━┷━━━┷━┷━┷━┷━ ←配線-(ACアダプタからの- コンデンサの-)
 ← RSDAへ 
 -例に拠らず、3300uFの代わりに1000uFを沢山並べる方が低インピーダンスになります。2種類以上のコンデンサを使うと帯域の癖の相殺が期待できます。              
 #ref(000.jpg,nolink,right,around)
 -使用配線には銅単線を使います。より線では表面が酸化してかえって音を劣化させる場合があります。
 右の写真上は、半年使用した銅撚り線です。柔らかくて取り回しがいいので使ってみましたが、
 写真のように銅のサビ「緑青」(りょくしょう)が出ました。被覆が透明なので非常にわかり易いと思います。
 銅線表面は赤暗く曇っている状態です。被覆剥き立てのようにピカピカと光りません。
 たったこれだけのことで、アダプターを付けない方が良い音だというほどに音質が劣化します。
 20cmという短い配線材が、作業で曲げられ捻られ被覆と導線の間に隙間を作って空気と水分が侵入して緑青を作ります。
 工作部位・線端から湿気が入らないようにスミチューブで密閉してしまえば、短期間でこんなにはなりませんが、
 それでも長期間の使用では劣化の心配があるので、電源ラインケーブルの場合、銅単線を使うのが一番良いでしょう。
 右写真下は未工作の全く同じケーブルです。
 <高級スピーカーケーブルでも銅撚り線が使われている場合は、被覆の内側でこんな風に劣化している事例があります。
 一度疑ってみてはいかがでしょうか?
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 ***準備する道具など [#i7a79ea0]
 #ref(001.jpg,nolink,right,around)
 ■用意するのもの
 -ケース(適当なサイズのもの。写真参照。)
 -DCオスプラグ・DCメスコネクター(サイズさえ合えばどんなものでも。写真参照。)
 -コンデンサー各種
 -ベル線(0.8mmTIVF、20〜30cm)
 -ハンダごてセット
 -ニッパー
 -ドライバー(ケースがネジ止め式なら)
 
 ■あれば使うもの
 -作業台。というより作業板。発砲スチロール箱のフタが一番適しています。作例参照。
 -ドリル。ケースに穴を開けるのに使います。無ければ古いプラスドライバをコンロで熱して溶かして穴空けするといいかも。工夫して下さい。
 新たに買う場合はバッテリー式でないもの方が使いやすいです。馬力が違います。RYOBIなど一流メーカーのものを。
 -ワイヤーストリッパー。圧着工具に付いています。ホームセンターで1000円ちょっとです。ワイヤーストリッパーを使うと配線の被覆が一瞬で完璧に剥けます。皮むきで苦労するのが馬鹿馬鹿しくなるほどラク出来ます。
 -テスター。必ず要りますと言いたいところですが、できれば用意して下さい。
 --テスターの使い所
 ---コンデンサーに±を間違って入れないように、ACアダプターを挿す前にチェック!
 万一間違えるとコンデンサが破裂・爆発するらしいです。必ずケースを閉じた状態で通電テストをしましょう。電解液が飛び出して目に入り、視力を失った事例があります。
 ---プラグの内側、コネクタの中心側が+です。結線する端子を間違えないよう最終確認するために。
 ---RSDA202に±を間違えて入れてもRSDAは壊れません。万一音が鳴らなければ極性を間違えていますのでプラグを付け直して下さい。
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 ***基板を使わない簡単な作例 [#i7a79ea0]
 #ref(002.jpg,nolink,right,around)
 #ref(005.jpg,nolink,right)
 
 +使いたいコンデンサをケースに入れてみます。配線をどこに通すか、どこから出すか、イメージします。
   ※この作例はケースのサイズに余裕が無さ過ぎます。もう少し大きめのケースにして下さい。
 +出口と入口に穴を空けます。配線を伸ばしたい時はケースにメスコネクターを直接取り付けないで配線を延長した先に付けましょう。出口側のコードは延長してはいけません。線の抵抗でインピーダンスが上昇してしまいます。入口側を延長してください。
 +机の上にビニールテープを粘着面を上にして置き、コンデンサーの極性を揃えて隙間無くキレイに並べ、巻いて固定します。
   ※ケースサイズに余裕がないので、足をあらかじめ切りました。普通はハンダ付けを終えてからニッパーで切ります。
 +TIVF線を半分だけ裂きます。
 +ハンダ付けしたい箇所を剥きます。ショートの心配はないので全部剥いても構いません。ワイヤーストリッパーを使うと簡単に剥けてしまうので、作例では少し凝った剥き方をしました。
 +ビニールテープでコンデンサとTIVFを作業板に固定してから、ハンダ付けします。
 +椅子にかけて、片膝を立て、その上に作業板を乗せて作業すると、楽な姿勢のままハンダ作業に長時間集中出来ます。
 取り付け部品は、ビニールテープでどんどん固定しましょう。是非まねをして下さい。
 ※テーブルの上にハンダ線が立ててあります。ハンダ線は切り売りのような短いものではなく、このような筒状に巻いてあるものを使うと、ハンダ線を口にくわえられるので両手が使えたりします。曲芸みたいな立体的なハンダ付けも、キレイに楽々とできます。
 +ケースに余裕が無さ過ぎるので、本当にちゃんと収まるかどうか、一度入れてみました。
 +赤いフィルムコンデンサのスペースが殆どありませんでした。空いている空間に無理矢理付けました。
 +メスコネクターの端子と結線します。この時、極性を間違えないように、しっかりと確認します。コネクタの芯側が+です。周囲側がマイナスです。テスターを持っていたら、どちらの端子と導通してるのか必ず確認して下さい。プラスはコンデンサのプラスに繋ぎます。万一間違えると電解液が噴出するなどして大変危険です。
 +DCオスプラグのケースを先に通しておきます。
 +極性を間違えないように結線します。TIVFのラインが入っている方を+としておきましたので、ライン入りの線をプラグの芯側に来るようにしました。
 +ケースを閉じて完成
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 #ref(003.jpg,nolink,right)
 ***TIPS [#i7a79ea0]
 #ref(004.jpg,nolink,right,around)
 -一度電源に繋いだアダプターは充電されています。12V程度なので感電はしませんが、作業に取りかかる前に放電させてやる必要があります。
 ハンダごてのコンセントプラグの穴にテスター棒を差し込み、DCプラグの中に差し込みます。
 次にDCプラグの外側とコンセントのもう一極を触れます。コンデンサの電気はこてを熱するのに使われて、すぐに放電がおわります。
 または、100円ショップで50cmの延長コードを買ってきてプラグを切り取ります。線端の被覆を向いて、ハンダごてのプラグを挿して使います。
 ひとつ作っておくと、コンデンサを使う工作をする時にはとても便利です。CRTの分解掃除の時にフライバックトランスから電圧を抜くときにも使えます。
 -電解コンデンサのうち、少なくとも一番出口側のひとつは、オーディオ用を選んで下さい。さもないと周波数帯域のバランスが崩れておかしな音になることが多いみたいです。
 0.1uFのフィルムコンはとても大事です。容量が小さいからといって省かないで高性能フィルムを付けて下さい。
 -未検証ですが、パソコンのマザーボード用の電解コンデンサが良いとする人も居ます。興味があれば試して下さい。作例ではスイッチング電源用の3300uFを使いました。
 -12VのACアダプターならコンデンサの耐圧は16Vで十分です。15VのACアダプターの場合はサイズが大きくなりますが、耐圧25Vがお奨めです。
 -12Vの定電圧電源ならコンデンサの耐圧は16Vで十分です。
 12V以上(注意!最大14.5V)の定電圧電源の場合はサイズが大きくなりますが、耐圧25Vがお奨めです。
 コンデンサは耐圧の定格の8割以下の電圧で使うのが推奨されているからです。
 ※作例では15V電源(アダプターで実測15.1V、RSDA内では実測14.1V、TA2020の上限は14.5V)なのですが、どういう不具合が出るのか知りたくて16V耐圧を使っています。今のところ不具合は出ていません。
 ※作例では非安定化15V電源(アダプターの実測15.1V、RSDA内では実測14.1V、TA2020の上限は14.5V)なのですが、どういう不具合が出るのか知りたくて16V耐圧を使っています。今のところ不具合は出ていません。
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 ***■■スイッチング電源とトランス式電源の違いについて■■ [#rd020f00]
 音質という観点では、電源ノイズの量が違います。スイッチング電源では、電源をICで高速スイッチングしているために高周波ノイズが多く
 非安定化電源では、ダイオードが整流ノイズを出しますので50Hzか60Hzの電源ノイズだけになります。
 その中間的な電源として、トランス式安定化電源があります。[[秋月の電源キット>http://akizukidenshi.com/catalog/items2.php?q=%22K-00096%22&s=score&p=1&r=1&page=]]を利用するなどして自分で作ります。
 
 SW電源と安定化電源が定電圧電源で、トランス式の非安定化電源は、定電圧電源ではありません。
 SW電源では、負荷にかかわらず常に同じ電圧が出力されます。定電圧電源だからです。
 12VのSW電源アダプターでは、0Aの無負荷でも、1Aの電流が使われていても、出力電圧は12Vです。
 トランス式電源(非安定化電源)は、その名のとおり、電圧が安定化されていません。
 たとえば、12V850mAの非安定化電源アダプターは、100Vのコンセントで850mAを消費しているときに12Vの電圧になるのが目安ですが
 実測では無負荷時に16.1Vでした。RSDAに繋いで電源投入後、無音待機時の内部電圧の実測で14.5V(ICの常用耐圧限度いっぱい)でした。
 コンセントの電圧は104Vでした。数ヶ月使っていましたが、問題はおこりませんでした。
 
 しかし製造誤差により、16V以上の電圧が出てくるかも知れません。テスターで電圧を測って16Vを超える場合は、RSDAに接続不可です。
 電源投入時に、ICの負荷による電圧降下が起こる前に、ICの絶対定格の16Vを超えた電圧が一瞬流れ、ICを瞬時に故障させた後に、焼いてしまう可能性があります。
 大容量平滑コンデンサをつけている場合は、数百mVの電圧降下がおこるので、わずかですがクッションになっています。
 12V850mAの非安定化電源アダプターを、このページで紹介しているのは、このマージンを使っている為です。
 
 「リスクはよく分からないが、とにかくトランス式電源を使いたい!」という人は、9V〜10Vで850mA以上の非安定化電源アダプタを使ってください。
 (たとえば、http://www.marutsu.co.jp/user/shohin.php?p=6852を 9V電圧で使用)
 
 -■コンデンサの耐圧について
 コンデンサの耐圧表記は16V、その上位は25Vですが、実際の耐圧は表記通りではありません。
 同じ耐圧16Vでもブラックゲートなど、サイズの大きなものは耐圧が良い傾向があり、使用電圧にも余裕がありますが、
 比較的サイズの小さいものは16V付近で常用していると、思わぬトラブルが起こる可能性が高いようです。
 耐圧電圧の8割以下で使うのが推奨されるのはそのためです。電源電圧を13.5V〜14.5Vで使いたい人は、サイズの大きいコンデンサを選ぶか、
 耐圧25Vのものを使いましょう。
 
 [[RSDA202の紹介と改造へ戻る>Rasteme/RSDA202の紹介と改造#u79e52ae]]
 
 ***おすすめ電源 (書き方:名前は空欄にします。urlを入れるとリンクされます。[[単語&#x3e;url]]の形式にすると単語がリンクになります) [#febea2f4]
 - デカップリングを耐圧25Vまたは耐圧の良い16Vに交換済で、常用10W以下の音量で使うなら、
 - ■使用決定は自己責任で!■デカップリングを耐圧25Vまたは耐圧の良い16Vに交換済で、常用10W以下の音量で使うなら、
 SW電源よりも[[非安定化ACアダプタ>http://www.marutsu.co.jp/user/shohin.php?p=6873]]の方がリップルノイズが少ない分だけ静寂感と奥行きが向上します。--  &new{2007-11-09 (金) 00:02:08};
 
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