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Vintage Technics 愛好会/Technicsカタログを紐解く用語集/円盤状磁石 MM 形カートリッジ の変更点


 [[Vintage Technics 愛好会/Technicsカタログを紐解く用語集]]
 
 *円盤状磁石 MM 形カートリッジ [#td345e81]
 ~MM 形カートリッジの標準構造ともいえるシュアタイプでは、カンチレバーの後ろに細長い磁石(通常はカンチレバーとほぼ同じ太さかやや太い四角柱形または円柱形)が付き、その側面をダンパで支える。しかしテクニクスの 205C シリーズや 100C シリーズなどの磁石はカンチレバーよりずっと太くまた短い円盤状で、ダンパは磁石の側面でなく後ろにある。このタイプには必ずサスペンションワイヤがあり、振動子は後端をダンパに押し当てる形で保持される。磁気回路は基本的にシュアタイプと同じ。円盤状磁石を用いた MM 形カートリッジとしてはデンオン(現デノン)の DL-107 も有名で、振動系はテクニクスタイプとほぼ同じだが、磁気回路はE字形ヨークを用いており異なる。
 ~シュアタイプの磁気回路では磁石は長い方が効率がよく、その意味でオリジナルデザインは合理的といえる((シュアの特許書類には球形の磁石を用いた図も載っており、他社から実際に製品も出ているが、シュア自身はおそらく製品化したことはない))。しかし保磁力の大きいタイプの磁石には太く短い形状が本質的に適している(スピーカのフェライト磁石も同じ)。また機械振動系としては、サスペンションワイヤで軸方向の運動を抑えられ、ダンパ接触部の径が大きく軸まわりの回転運動も抑えやすい円盤状磁石の方が優れているといえる。シュアタイプでもサスペンションワイヤを引いたものはあるが、構造上、ダンパの中心からワイヤを出すことも、軸上にまっすぐワイヤを引くこともできず、またワイヤ張力がダンパのずり応力となるため、厄介が多いと思われる。
 ~ついでながら円盤状磁石 MM 形の振動系は、磁石とコイルの違いはあるものの、オルトフォンタイプの MC 形カートリッジにそっくりである。また、オーディオテクニカの VM 形カートリッジも、磁石こそ細長いがカンチレバー基部とダンパの関係はこれまたそっくりであり、音に共通点があるかもしれない。
 ~テクニクスのカートリッジでは 205C の前身の 200C が既にこの構造だったが(さらに前のモデルは未確認)、よりよい振動系を追求した結果なのか、後述するように磁石の動向を読むのが早かったのか、テクニクスが何を考えてこの構造に行き着いたかは知らない。 200C は金属磁石では最強といわれる白金コバルト磁石を用いていたが、それでも磁力がいまいちだったのか、磁石の前に高透磁率のバイプを置いて実効的に磁石の長さ(厚さ)を増していたが、後のさらに強力な磁石を用いるモデルではこのパイプは廃止されている。
 

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